RESEARCH

研究内容

脳はカテゴリー情報をどの様に処理しているのか

サルやヒトといった霊長類は物体の視覚的な特徴に基づいてその物体をカテゴリー分類することができます。 例えば,私たちはチワワ・プードル・ダルメシアン等を全て「イヌ」という同一カテゴリーとして認識しています。 しかし、このようなカテゴリー分類が脳内でどの様に行われているかについては明らかになっていない点が多く存在します。
そこで、私は電気生理学実験で得られたサルのニューロン活動を機械学習の手法を用いて解析することで 脳内で視覚的なカテゴリー情報がどの様に処理されているのかを探っています。 更に、ニューロン活動を解析することで得られた結果を基に脳の視覚系を再現するニューラルネットワークモデルを構築する、 という研究も行っています。



高次元データの特徴量選択

高次元データから何らかの値を予測する問題において、その予測に重要な特徴をデータから推定することを特徴量選択と呼びます。 特徴量選択を行うことにより予測精度を向上させることができるだけでなく、その予測がどのような特徴に基づいて行われているのかを分析することができます。 高次元データの中から予測に重要な特徴を推定する手法は様々ありますが、同じデータに対しても異なる特徴量選択手法を用いることで異なる特徴が選択されることがあり、 どの手法で選択された特徴が予測に重要であるのかを判断することが困難です。
そこで、私はあらゆる特徴の組み合わせを網羅的に評価することで、特徴量選択手法に依存しない特徴の重要度を推定する手法を提案しています。 あらゆる特徴の組み合わせを網羅的に評価するのは計算量が膨大になりますが、マルコフ連鎖モンテカルロ法を用いて疑似的に全ての特徴の組み合わせを評価することで、 現実的な計算時間であらゆる特徴の組み合わせを比較した特徴量選択の結果を得ることができます。
高次元データの特徴量選択は自然科学の様々な分野で応用が可能です。 そこで、私は神経科学・行動心理学・宇宙線画像解析・病理画像解析・磁性薄膜のパターン解析といった自然科学の多様な研究領域での課題を高次元データの特徴量選択という軸で解決することに挑戦しています。